客室の大きさについてはとても悩ましい問題です。まず、あえて客室をせまく取ることで、繁盛している店とお客さんにみせるという戦略もあります。客室を狭かったお店が、広くしてしまって逆に売上が落ちたというケースもあります。
また、実用的な部分でも、客室を大きくとる分だけ厨房の面積は狭くなりがちです。厨房の面積が小さくなると、作ることができるメニューが制限されることがあります。客室の広さ一つをとっても、悩むことはこのようにあるのです。豊富なメニューを売りに考えているお店ならこの選択が命取りになることがあります。このように考えてみるだけでも飲食店のお店作りはほんとうに大変だなと思います。地方都市では、フランチャイズ店ばかり生き残っているというのも納得できると思います。料理人プラス経営者の感覚がある人というのは、めったいにいないということです。そういう意味では、飲食店は競合は多そうに見えて実は差がつけやすい部分もあるのです。